「テンゾウ。オレ、狙い撃ち上手いの。見て見てあそこの赤いちっこい花に一発だから」
しゅーん!と効果音をつけながら横で尿を飛ばしているのは、ちょっといい感じに酔ってしまっているカカシ先輩だ。
任務中は特にクールで、「用足し」したいなんていい出せないぐらいに妙に高潔な感じがするから、この間なんかボクずっと我慢してたんだよね…。
いつ寝てるんだっていうのと同じぐらいに、いつ用足ししてるんだって謎めいたところのある先輩だから、「あ、そう。じゃあ、そこの茂みでしてきたら」なんて言われるのは、恥ずかしいじゃないか。
そんなカカシ先輩が、Sランク任務後の打ち上げ(二人だけだけど)だからって、羽目を外してこんな痴態をさらしているだなんて、今この目で見ていてもとても信じられない。
「先輩。冷やしちゃうからしまってください」
ボクは尊敬する先輩の性器から目を逸らしながら、ちっちっと最後の一滴を振り絞っていた肩をつかんでそう促した。
「ん……」
こくこくと頷いて下穿きを引き上げた先輩に安心したのも束の間。「男と男のツレしょんなのに、テンゾウがまだ出してない」と叫んだ先輩にがばりと下半身に張り付かれた。
とっさに両手でつかんだものの、ふいをつかれて、半分ズボンがずれ下がった。
「すっごい。テンゾウ。通常サイズでそれなの!」
「……っ!」
かぁっと頬が熱くなり、ボクは思わず先輩を突き飛ばしていた。
ひどい。ひどいよ。先輩。
酔ったあなたにちょっと興奮しちゃっただなんて、誰にも言えない。この秘密は墓場まで持っていきます!
【終】